
「いい感じ」と、「欲しかったもの」は少し違う。
AIに画像を作ってもらうとき、
必要になるのが「プロンプト」です。
簡単に言えば、
AIに「こうしてほしい」と伝えるための言葉。
短い言葉でも、画像は作れます。
でも、頭の中にあるイメージまで伝えようとすると、
意外と難しい。
今回は、一枚の写真から。

夜の街で撮った、一台の車。
この写真を使って、
イラストを作ってみます。
構図はできるだけ残す。
車も変えない。
そのうえで、
色や形を大きく整理したイラストにしたい。
そんなイメージを、
プロンプトにしてAIへ伝えます。
そして、最初に出来上がったのがこちら。

悪くない。
むしろ、かなりいい。
写真にあった車や街、
水面の光も残っています。
でも。
少し違う。
AIが間違えたわけではありません。
こちらが書いたプロンプトに対して、
ひとつの答えを出してくれています。
足りなかったのは、
こちらの伝え方でした。
もっと平面的にしたい。
奥行きはいらない。
立体感も減らしたい。
光や影で形を作るのではなく、
もっと色と形で見せたい。
そこで、プロンプトを書き直します。
「もっとフラットに」
それだけでは、まだ足りない。
奥行きを減らす。
現実的な光を使わない。
陰影で立体を作らない。
物を幾何学的な形に置き換える。
背景も車も、一枚の平面として構成する。
実際のプロンプトには、
extremely flat
minimal depth
little to no perspective
no realistic lighting
color fields instead of rendered form
そんな言葉まで加えていきました。
注文が多い(笑)
でも、そうやってプロンプトを少しずつ詰めて、
出来上がったのがこちら。

元になった写真は同じです。
同じ車で、
同じ場所。
でも、最初のイラストとは
ずいぶん違います。
どちらが優れている、
という話ではありません。
最初のイラストにも良さがあります。
ただ今回、
欲しかったのはこちらでした。
ここまでやって、
少し面白いことに気づきました。
プロンプトを書いていると、
AIに細かく指示しているようで、
実際には、
自分が何を作りたいのかを、言葉にしている。
「なんとなく、こんな感じ」
頭の中では分かっているつもりでも、
それを言葉にするのは意外と難しい。
何を残したいのか。
何を消したいのか。
どんな色がいいのか。
どこまで現実に寄せるのか。
プロンプトをひとつずつ足していくと、
自分が見たかったものも少しずつ見えてきます。
これ。
写真を撮るときにも、
少し似ています。
何を入れるか。
何を入れないか。
どこから見るか。
どこまで見せるか。
カメラがどれだけ進化しても、
そこは撮る人が決めています。
AIも、たぶん同じです。
できることは、
これからもっと増えていくと思います。
でも、
何を作りたいのかまで、決めてくれるわけではありません。
プロンプトは、
AIへの指示であると同時に、
自分の頭の中にあるものを
整理する言葉なのかもしれません。
